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ここで注意してほしいのが日本政府は名実共に基地関係の土地内には治外法権を認めているということである。現状の日米安保条約では日本政府及び警察関係者が米軍基地内に入り、事件の捜査を行うのは不可能である。事件が起こった際、まず警察は米軍に捜査の許可を得なければならない。軍事基地の機密保持が理由である。
しかし、今までに数々のトラブルが発生し、素直に捜査が許可された試しがない。捜査が許可されても米当局が捜査し、主要な証拠品収集や捜査が完了してからである。捜査すら許可されないことも少なくはない。事件が闇へ隠蔽された事例は数多くある。
また、米軍基地内で発生した事件・事故は完全に司法権を米国が持っている。これは一見問題ないように見えるが実は大問題である。
例えば、米軍基地内に極秘裏に核兵器が持ち込まれていたとする。日本側がこれを事前に察知していたとしても基地内に入りこまれたら手も足もでないのである。もし基地内に核兵器が持ち込まれたという完全な証拠があったとしても日本側には司法権がない。よって無力な「たいへん遺憾である」一言の抗議しかできないのである。
また、米軍基地内でガス漏れや火災があったとする。米軍が協力を断った場合、日本側は消火活動ができない。基地の外に漏れた火しか消せないのである。その火事のせいで周辺の住宅街が燃えた場合、米国の裁判で公正に裁かれない限り保証も謝辞もないことになる。米国側も米軍の威信を傷つける上、多大な賠償をしたくないから事故の責任を認める可能性は極めて低い。だがそんなことで周辺住民が納得するわけもない。
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