プロローグ

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 ――ここはどこだ?  屋外で横になってるらしく、天には満点の星が。こんな優美な星空は目にしたことがない。  無意識のうちに自分の双眸に焼き付けていた。  ややあって。  身体が勝手に寝返りをうった。まるで神経が通っていないみたいに、言うことを聞いてくれない。  寝ている場所はベッドまでとはいかないが、意外と柔らかく、苦にはならない。注視してみると、葉っぱを敷き詰めた上に俺はいるようだ。  何故? 何で? どうして?  沈思黙考しても答えが出るはずもなく、面倒になってきたので、再び景色に目を移した。  目前には、星明かりで幻想的な雰囲気を醸し出す草原。暗いため視認は出来ないが、川のせせらぎも耳に入ってくる。  ほとんど感覚だが、反対側に人の気配があり、火を焚く音がする。  いや、本当に。どういう環境にいるの俺?  などと自問自答していると、また身体が勝手に起き上がり、瞳を擦りながらキョロキョロし始めた。
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