不幸の手紙とかチェーンメールがきても回す相手がそんないない奴

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「この程度、まだ序の口だぜ」 ライアンはニヤリとすると指を弾いた。さらに火力が上がり、ごうごうと大気が音を立てる。いったい何をどう燃やせばそうなるのか、いまや炎は天井の照明よりも強い光を放ち、魔法使いの顔を不気味に浮かび上がらせた。 ライアンは松明の塊のように燃え続けるテーブルに手を起き、カッと目を見開いた。 「燃え尽きろォォォォッ!」 彼の叫び声と共に炎が爆ぜ、大小様々な火の球となって部屋中を飛び回り始めた。 「やめろぉぉぉぉぉっ!」 ついに父親が悲鳴を上げた。我が家が火の海になると思えば、当然の反応かもしれない。 修も多少の不安はあったが、あんなことができるはずがないという科学的思考と、あのライアンと名乗った男は本当に魔法使いなのだろうという非科学的な思考が一緒になって奇妙な落ち着きを保てていた。 「ま……ざっとこんなもんか。非魔法世界の奴らに見せたのは初めてだけど、やっぱ楽しいな」 ライアンがテーブルから降りて指を弾くと、いつの間にか火は消えていた。テーブルはもちろん、床、カーテン、その他の家具にも焦げ跡一つない。 「これでもまだ魔法を疑うか?」 「手、手品だ……何かトリックがあるはずだ……」 父親はがたがた震え、顔が真っ青になっている。 ライアンはため息をついた。 「まさかこれほどとはな……まあいい、あんたらが信じようが信じまいが魔法は存在する。 それを学ぶかどうかは後はこいつ次第だ」
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