不幸の手紙とかチェーンメールがきても回す相手がそんないない奴

14/16
14451人が本棚に入れています
本棚に追加
/376ページ
迷うこともなく、答えは決まっていた。 「………行きたい」 修の答えを聞いたライアンは満足げに笑うと、言った。 「そう言うと思ったぜ。 じゃあ決まりだ。 一週間後にまた迎えに来る。土日にお前が今通ってる学校に、転校するってことを伝えとく。月曜からの一週間で身の回りを整理しとけ。 ああ、学校は全寮制だから別れとかはちゃんとしといたほうがいいぞ。まあ、長期休暇とかで帰って来られるけどな。 んじゃ、またな」 ライアンは一方的にそう言うと魔法で消え去った。 こうして、拍子抜けしてしまうほどあっさり修の日常は変わった。 それからの一週間、修は転校する事を友人などに伝えた。驚いたのは本当に学校側に修が転校する、ということで伝わっていたことだ。 クラスで先生が修の転校を伝えた時、あまり話さないクラスメートも話しかけてきた。多分儀礼的なものだろうが。 また、修は学校が別になった友人にも電話をした。普段ならメールだがこういうことは直接話したほうがいい。 家ではまだ父親が魔法を見たショックから立ち直れずにいた。だが逆に妹は楽しんでいるようだ。帰ってきたら魔法を見せろなどとはしゃいでいる。 (ホント柔軟なヤツ……) そんなこんなであっという間に一週間が過ぎた。
/376ページ

最初のコメントを投稿しよう!