不幸の手紙とかチェーンメールがきても回す相手がそんないない奴

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その日、修は着替えなどを詰め込んだバッグを持ち、居間にいた。 何を持っていけばいいのか分からなかったので、取りあえず着替えだけにした。 小説や漫画等もたくさん持っていたが全部置いていくことにした。 まあ、多分向こうにも本はあるだろう。 そして昼ごろ。 突如、空間が裂けるようにして居間に光が溢れた。 そして、光の中心から二人の人物が現れた。 一人はライアンだ。 もう一人は女性で黒いローブを着て、眼鏡をかけている。髪はショートで、年齢は恐らく二十歳前後だろう。どこかおどおどしたような雰囲気で、若くというよりは幼く見える。 「っし……んじゃ行くか」 ライアンは買い物にでも行くような軽いノリだ。 「荷物はいらねぇぞ。手ぶらでいい」 「え!?」 「必要なもんは向こうで買う」 出来れば先に言ってもらいたかった。 「んじゃ眼鏡だけでも……」 修は目が悪くなっていたので(主にゲームのやり過ぎ)、勉強や読者の時には眼鏡をかけていた。 「あ、修君目が悪いんですかぁ?」 ライアンの隣の女性が言った。なんだかおっとりした話し方だ。 「向こうに行けば目の悪いのくらいは魔法薬で治せますよぉ?」 魔法って凄い。 「あ、ならいいです」 ライアンと女性は修の後ろにいた両親の方を向いた。
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