バカと天然の境界線ってどの辺なんでしょう?

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「へぶぁ!!」 情けない声を出して修は地面に落ちた。口の中に苦い味が広がり、鼻腔が草と土の臭いで満たされる。 「イテテ……」 体の下敷きにしてしまったらしい左腕を摩りながら立ち上がろうとすると、耳を刺すような悲鳴が背後から聞こえた。 「キャァァァ!?」 「え?」 一瞬息が詰まるほどの衝撃を背中に受け、再び地面に転がる。 「ぐぇ!」 「ぎゃっ!」 修の上にアリアが落ちて来た。その直後、隣に呆れ顔のライアンが降り立つ。 「うう……痛いですぅ」 「俺はもっと痛いです……」 「あっ! ごめんなさい修君!」 アリアが慌てて飛び降りた。 修はうめき声を上げ、腰をさすりながら立ち上がると辺りを見渡した。 どうやら森の中のようだ。 てっきり街のような場所へ行くのだと思っていた修が訝しんでいると、ライアンが信じられない事を言った。 「あれ? どこだここ?」 「え!?」 「アリアお前、どこに『亜空間ゲート』繋げた……?」 「えーっと……アクアフィールの大噴水広場に繋げたつもりですけどぉ……」 「明らかに違う場所じゃねーか! 森だろどう見ても!」 ライアンが怒鳴った。 「ひっ!? ごめんなさいぃ~。私まだこの魔法慣れてないんですぅ~」 「やっぱ俺がやった方がよかったな……」 ビクビクするアリアをよそに、ライアンは指輪をはめた手で宙に記号のようなものを描くと呪文を唱える。 すると空間に穴が開き、穴の中に街らしき風景が現れた。大きな噴水がある。 「今度こそ行くぞ」
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