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次の日の朝、思ったより早く修は目を覚ました。
時計を見るとまだ五時半だ。
いつもならばこんなに速く目が覚めたりはしないのだが、慣れない生活や魔法世界へ来た興奮のせいでまったく眠気がしないのだ。実際、昨日の夜も早い時間からベッドへ入ったのに、なかなか寝付けなかった。
(あんま眠くないし……準備しとくか)
修は起き上がると顔を洗い、着替えた。
アレンはまだ床で体を丸めて気持ち良さそうに寝ている。
コンコン
「はい」
二時間もした頃、ノックの音で修はそれまで読んでいた教科書から目を上げた。
「修く~ん、おはようございますぅ~。起きてますかぁ~?」
アリアのようだ。
修はドアを開けた。
彼女は昨日と同じような黒ローブを着ている。
「あ、ちゃんと制服着てますねぇ~。朝ごはんなんでお迎えに来ましたよぉ~」
修は廊下を歩きながら、どこに行くのかアリアに聞いてみた。
「お城の大広間ですよぉ~。これからは食事は全部そこで食べるんでぇ、場所を覚えてくださいねぇ~」
二人はいくつか建物を繋ぐ渡り廊下を通り、城の脇腹のような所から中へ入る。
(ってか本当に城だな……)
修がそんな事を思っているうちに二人は大きな両開きの扉の前に着いた。
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