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(やってしまった)
今のは明らかに自分に非があり、近藤に悪意はなかった。今更ながら良心の呵責に胸が苦しくなる。
「いや、俺は間違ってない」
即座に否定した。悪意がなかったとしても結果的に近藤の発言に傷付けられた。無神経に人の腹を探ろうとした彼が悪い。敵の一派に謝罪とは、さぞかし屈辱だったろう。はっきりいって自業自得だ。
苦しみを訴える胸に手を当てて、ひたすら言い聞かせた。前言撤回。馬鹿なのは自分ではなく近藤だと。
「……痛い」
容赦ない日射しが肌を貫く。まるで殺しに掛かってくるようだ。
「お天道様ったら、加減というものを知れよ」
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