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おかしいのはどっちだ。いくら外見が整っていても内面に問題があり過ぎる。
初めて会ったばかりの男に言い寄り、自ら可愛いと豪語してその上、妙は全ての男が自分を好いていると思い込んでいた。勘違いもいいとこだ。
一言でいうと男たらし。
瀬希は全ての苛立ちを吐き出すかのように大きく息を吐いた。いつまでも妙の相手なんかしてられない。
「あんた顔は良くても中身不細工なんだな。全然可愛くねぇ」
「なっ!」
「俺さぁ、あんたみたいな女嫌いなんで」
正直に思っていたことを口に出すと恥をかかされた妙の表情は一気に変わり、頬を赤くして眉間には深い皺が刻まれた。
瀬希は不敵に笑った。
「自分のことを可愛いって勘違いしてる女は絶対可愛くねぇから。そこんとこ覚えておいたほうがいいぜ。高木妙さん」
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