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それから他の妖怪に出会う事も無く、2人は妖怪山の麓まで来た。
「おぉ~!あれが霧の湖と紅魔館か!すげー!……あ。」
2人の前に水色を基調とした服装の妖精が一人(匹?)。
「ちょっと、そこのバカップル!この超超超超超天才!!なあたいに何の用かしら?」
不意を突いた(色々な意味で)酷い発言に2人は呆気をとられていた。
「チルノだわ。」
「うん、知ってる。ってか天才じゃないし、用もないし、バカでもないし、カップルでもないし、第一初対面の相手をバカ呼ばわりするチルノの方がバカだろうが、このバカ。」
健一は機関銃の様にチルノの言葉を否定していくが、チルノはそれに怯む事無く反論する。
「あ~!あたいにバカって言ったぁ!ねぇ、そっちの眼鏡の男知ってる?バカって言った方がバk「じゃあ最初にバカって言い出したチルノがバカだろ。」」
健一の適切な指摘にチルノは驚いたが、それでも口数は減らない。
「くっ、このあたいを言い負かすなんてなかなかやるじゃない。ま、それでもあたいの方が格上だけどね!いいわ、せっかくだから名前だけでも聞いといてあげる。」
想像以上のバカっぷりに呆れつつも軽く自己紹介をした。
「健一、ね。あたいはチルノ。この霧の湖に住む妖精よ。それじゃ、蛙で遊ぶから帰る!」
悔しさを顔に出すまいと、必死で堪えながら霧の中へ消えていった。
健一と霊夢には悔しさが滲み出ているのが見えていたのだが…
「ねぇ、霊夢、チルノってあんなに寒いギャグを言うんだね。」
健一が霊夢に同意を求めた。
それに対し霊夢は「一応“冷気を操る程度の能力”だから…ね。」と一言。
そんなやりとりをした後、健一は目前にそびえ立つ紅の洋館“紅魔館”をぐるりと見渡し、更に歩を進めていった。
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