第二章 そして紅魔館へ

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2人が紅魔館に近づくと緑の帽子と腰までスリットのある中華風の服、背中まで伸びた赤いストレートの映える門番、紅美鈴が現れた。 「あら、博麗霊夢と黒髪の青年。紅魔館に何の用かしら?」 健一の中の紅美鈴は常に門番をサボって居眠りをしているイメージがあったので、まともな対応に少し驚いた。 すると、霊夢は健一を指差しながら 「佐藤健一っていう外来人。今日からここで働きたいらしいの。ここに私からの推薦状もあるわ。」 そう言い終えた後、健一のポケットに手を突っ込み、博麗神社で手渡した紙を取り出して紅美鈴に差し出した。 「という訳なんでよろしくお願いしま…って、おいいいいい!!いつの間にそんな推薦文なんて書いた!?そもそも自分は働きたいなんて言っ「いいから黙ってて!その方があんたの居場所を作りやすいの!」」 紅美鈴は霊夢から手紙を受け取り、紅魔館の中へ消えて行った。 「あんたギブアンドテイクって言葉を知ってる?何かを一方的に求めようと思ってたら生きていけないわよ?」 真剣な表情で健一に語る霊夢。 (設定的にこれ、霊夢って自分より年下だよな…なんで自分よりも年を重ねたような口叩いてんだ…) なんて口に出せる訳もなく、健一はとりあえず「なるほどなぁ」と頷いた。 それから暫くして、再び紅魔館の扉が開いた。
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