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健一は持ち場に戻った美鈴の横を頭を下げながら通り抜け、紅魔館の扉を開けた。
「うわ、重た…」
中に入るとい健一のイメージ通りの西洋風の造りが目に入った。
生物の気配が無い大きな廊下を一人歩く。
少しすると闇に包まれた螺旋階段が見えたので、それを降りて行った。
「あ、これじゃね?…とりあえずパチュリーとフランからかな。」
鳥目な健一は道中で階段を何度か踏み外しそうになるが、なんとか降りきった。
「さて、右か左か…とりあえずこっちから行くか。」
右へ進み始めて数分、大きな扉の部屋に辿り着いた。扉の上には丁寧に“図書館”という木製の札が掛けてあった。
扉を開けると、地下とは思えない程の高さの天井。その天井ギリギリまでそびえ立つ本棚。本棚にきっちりと収まっている無数の書物。
今までに見た事が無い光景に圧倒されている健一に歩み寄る、紫系の色で全身を統一した少女。
「そこの青年、道に迷ったのかしら?…地獄ならこの建物の最上階よ?」
全くもって笑えない冗談である。
「いや、そういうんじゃなくて…博麗霊夢に紹介してもらって、今日から紅魔館に住み込みで働く佐藤健一と言います。」
興味無さそうに「そ。」と一言呟いた少女。
「私はパチュリー・ノーレッジ、魔法使いよ。で、あなたの能力は?」
「…」
つい先ほど咲夜に言われた言葉をまた聞く羽目になり、かなりウンザリしている様子。
「わかったわ、それじゃ、少し心理テストでもして行くといいわ。」
「いや、とりあえずフランとレミリアさんに挨さ「心理テスト…していくわよね?」それとも、熱いのが好きかしら?」
パチュリーが不敵な笑みを浮かべながら手の平の上に火球を作り出して見せ、脅しをかけてきた。
「是非とも受けさせてください…」
所謂“強制イベント”である。
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