第二章 そして紅魔館へ

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パチュリーが2つ、椅子を持ってきた。 心理テストが長くなるのは一目瞭然である。 「それじゃ、目を閉じてリラックスして答えてね。」 健一は言われた通りの行動をとった。 「まず始めに、あなたは戦うのは好き?」 「好きでは無いけど、どうしてもという時は頑張ります、多分。…何かを守るときとか。」 ふんふんと頷きながらパチュリーがメモを取っていく。 こうして次々に質問を出すパチュリーと、それに答える健一。遠巻きにこの光景を見れば何かの催眠を掛けている様に見えなくもない。 そんなやり取りが数十分にも渡り… 「それじゃこれが最後。創造と破壊は表裏一体。さて、あなたはどちらを選ぶ?もちろん、両方という答えは無しよ。」 健一は戸惑った。今までの質問とは一切関わりが無いように思えたからである。 「はい、深く考えないで。」 一度深呼吸をした後、正直に「創造」と答えた。 「なるほどね。じゃあ、ちょっと立ち上がって。」 「自分の身近にある“物”を具体的に想像してから両手を前に出して、そこに意識を集中させてみて?」 (一体何が始まるんだろ。) そう考えたあと、健一は幻想郷に来る直前まで使っていた弓矢を目を瞑りながら思い浮かべ、両の手の平がパチュリーに見える形で正面に突き出した。 バチバチバチ… 「決まりね。」 …2人の目の前に一揃いの弓矢が現れた。
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