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図書館を出て、来た道を戻る健一。
ここで弓矢を置き去りにしてきた事に気付いた。
その場で手の平を合わせ、自分の弓矢を創り出した。
「物を創り出す……か。望み通りの能力じゃん。」
錠剤の真相を知らない為、少し調子に乗っている。
そして、健一が降りてきた階段の所まで辿り着いた。
「さっきはこの階段から降りてきたんだよな。」
一度弓矢を置き、両手を合わせた後、手の平を壁に向けた。
健一は「図書館→」と書かれた看板を創り出した。
看板の出来栄えを確認すると弓矢を持ち直し、鼻歌を歌いながら図書館とは反対の方角へ歩き始めた。
しばらくすると、図書館の時と同様に一つの扉が暗闇から姿を現した。
「ここがフランの部屋だな、多分だけど。」
~後悔ってのは文字通り「物事の後でそれを悔やむ事」なんだぜ。
佐藤健一
健一は図書館の時と同様に扉を開け、中へ入った。
「フラン…だよね?」
「えっ!?」
健一がフランと呼んだ少女、フランドール・スカーレットは突然の訪問者に驚くも冷静に右の拳を突き出し、握った。
「きゅっとしてドカーン!」
フランドールの声と共に健一の右膝から下が文字通り消滅した。
「っ!…ああぁぁぁぁぁ!!足がぁぁ!!」
フランドールの攻撃で立つ事が出来なくなった健一は重力に従って床に倒れ込んだ。
「お姉様が、敵をいたぶる時はまず行動不能にするといいってさ。」
そう冷たく言い放って一歩、また一歩と徐々に距離を詰める幼き吸血鬼。
「ふふ。次はどこがいいかな♪」
健一の頭部から爪先まで品定めをする様に眺めていると、突然2人の間に咲夜が割って入った。
「お嬢さま、この人は敵じゃありませんよ!」
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