第三章 創り出す者と破壊する者

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目を覚ますとそこは見慣れない部屋であった。 「あれ、なんでここで寝て…!」 健一は少しの情報整理を行った後、自分の右足を確認した。 …気を失う直前と同様に、膝から下が無くなっていた。 「寝ても覚めても地獄ってか。」 その時、部屋の扉が開き咲夜が入ってきた。 「あら、お目覚めのようね。」 「さ、咲夜さん!ここはどこ!?っていうか自分はなんでここで寝てたの!?確かフランの部屋にいたはず!」 健一はガバッと身を起こし、咲夜に訊いた。 「これからここはあんたの部屋よ。お嬢さまには一応紹介しておいたわ。」 それと、と付け足し、 「物騒な物を持って無断でお嬢さまの部屋に侵入するなんて、ほんと命知らずね。私が行かなければ死んでたわよ?冗談抜きで。」 咲夜の忠告を健一は黙って聞いていた。 「それより、これからどうすんの?片足を失ったみたいだけど。」 その指摘で健一は自分の能力について思い出した。 「それについてはご心配なく。…見てて下さいよ。」 パン、バチバチ…! 健一の右足が創り出された。 「ほら、この通りで……すっ!?」 ベッドから降りて自分の右足を見せびらかそうとしたが、体重を乗せた瞬間に有り得ない方向へぐにゃりと曲がった。 結果、バランスを崩し右側面から床に倒れた。 「まぁ、見事な作り物ね。期待して損したわ。」 咲夜は冷たい言葉を浴びせると、健一の部屋を出て行ってしまった。
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