第三章 創り出す者と破壊する者

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健一の「待って」という言葉は虚しく、部屋で反響した。 自身の能力に異変が起きたのではと判断し、壁伝いに起き上がって部屋を出た。 「とりあえずこの飾りの足、消せるのかな。」 と、右足に手をかざした。 先ほど創られた足が消え、代わりに生々しい足の断面が現れた。 「そういや、痛みが無いし血も止まってる…」 咲夜は健一が気絶している間に右脚の時を止め、鎮痛剤を打ったのであった。 「後で咲夜さんに訊いてみるか。」 長い廊下を進んでいる内に、螺旋階段が視界に入った。 「地下は図書館とフランの部屋しか無かったから…とりあえずここは一階より上だな。」 自己解決をし、一段ずつゆっくりと階段を降りた。 「しかしまぁ、片足が無いってのは何とも不自由なこった。」 自分の足が消えた原因を思い出し、顔をしかめる健一。 様々な事を考えているうちに一階を通り過ぎ、地下に着いた。 つい先ほどに創り出した看板はしっかり残っている。 「一応…試してみっか。」 パンと両手を合わせ、正面に手の平を出した。 バチバチという音の後、全く同じ看板がもう一つ横に創られた。 「え!?能力が使え…た!?」 健一は更に混乱するが、手をかざして創り出した看板を一つだけ消し、看板の矢印の方向へ向かった。
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