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少ししてから分厚い書物を持ってパチュリーが戻ってきた。
「この本は魔力の込められた本なの。使用者の念を読み取って必要な情報を提示してくれるわ。」
健一は(人体の脚について。)と念じながら本を開き、そこに現れた文を読み始める事数分。「よし」という言葉と共に書物をパタンと閉じ、それをパチュリーに返した。
「さぁ、答え合わせだ。」
ふーっと深呼吸をし、某錬金術師と同じ構えを取る。そして…
空気の弾けるような特有の音と共に健一の右足が元通りに創り出された。
一連の流れを見ていたパチュリーは拍手をし、「正解ね。」と一言。
健一は屈伸や伸脚をして右足の出来を確かめた。
「つまり、創る物の構造とかそーいうのが理解出来てないと意味が無い訳ですね。」
「…って、あれ?なんでそれをさっき教えてくれなかったんですか!!」
健一は声を荒げるが、パチュリーは「さっきも言ったじゃない。人の話しを最後まで聞かなかったからよ。」と落ち着いて答えた。
「それより、話しを聞く限りまだレミィに会ってないみたいだけどいいの?」
パチュリーの質問に健一は「完全に忘れてました。」と答えた。
「あ、この本貸してくれません?創れる物のバリエーションを増やしたいんで。」
「言われなくても貸すつもりだったわ。」と、先ほどの書物を差し出した。
健一はそれを受け取り、図書館を出て行った。
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