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そんなこんなで妖怪の山。
「何か黒い塊が浮いてる…」
あれは宵闇の妖怪、ルーミアね。と霊夢。
そこら中の木にぶつかっては曲がり、ぶつかっては曲がりを繰り返している。
「何か可哀想だから呼び止めていい?」
「勝手にすれば?喰われても知らないわよ。」
博麗神社での一件以来、かなり機嫌を損ねているようだ。
その事を気にしつつも、ルーミアの事も気になる健一は黒い塊の前に立ちはだかった。
「あのールーミア…?」
すると黒い塊がすーっと消えて、そこに黄色の髪に赤いリボンを着けた少女が姿を現した。
「お兄さん、食べてもいい人間?」
「ごめん、それは無理。」
むーっと人差し指を口元にあてて残念そうにするルーミア。
ルーミアを宥めようと手を頭に近づけた瞬間、「そのリボンには触らないで!」
霊夢が慌てて健一を止めた。
リボンに見えるそれは御札であり、ルーミアの力を抑えているらしい。
それに触れないよう気をつけながら頭を撫で、「いつか人間じゃない美味しい物食べさせてあげる」と自信満々に言った。
その言葉に過剰反応し、ルーミアは目をキラキラと輝かせた。
「本当っ?」
「ん、いつかね。もし嘘だったらこっちの赤白の服のお姉さんを食べt「そんなわけないじゃない!」」
霊夢は健一の頭をグーで殴った。
「まぁ、そしたらお兄ちゃんを食べていいよ。」
涙目になり、頭をさすりながら訂正する健一。
「楽しみに待ってるよー。」
そして、健一はルーミアに「またね!」と言って手を振り、霊夢と歩き始めた。
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