赤の章 紅梅
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本の間をすり抜け、彼は部屋の角に敷いてあるござの上にたどり着いた。すだれと同様に、これも手製の代物だ。 そこに彼は横になり、その巨躰を丸めた。中々寝付けないのか、窮屈そうに、何度も体勢を変えている。 しばらく無意識に視界に入った本を数えていたが、それも飽きた。暇を余し、彼は物書きに話し掛けた。
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