赤の章 紅梅
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図書館の廊下は広い。ざっと、数人が並んで難無く歩けるぐらいだろう。それゆえあの不快な音も、四面を好き勝手に跳ね回っているが。 雨漏りがあるのか、廊下に敷かれた綿の絨毯が、彼が持った照明により、所々くすんで濡れているのが判る。
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