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校内を歩き回り、今日から自分の学ぶ場所になるはずの教室がある二階に着いた。潤が教室に入るとそこにはいつもとなんらかわりない生徒達の春休み前の風景が見られた。
だが、誰も動いていない。
「あーもう、意味わかんね…」
そう言いながらこれからどうするか考え込む潤。考えている間は必然的に沈黙になる。
すると、突然教室の外の廊下から足音が聞こえてきた。
コツ―コツ―コツ―
そのゆったりとした足音を聞いた潤は、すぐに足音のする廊下へと向かった。
そこには潤が知っている保健体育担当の先生が歩いていた。
(先生だ!!やっと動いてる人を見つけた!!)
「先生!!」
振り向く体育教師、その目には光が宿っていない…むしろ真っ暗に濁っていた。
潤はそれに気づかずに話しかける。
「先生…これは一体なにが起きてるんですか??周りは全て灰色…人は動かない…みんな大丈夫なんでしょうか??」
教師は考え込みながら返事呟く。
「なぜお前は動いてる…まぁ…いい…」
教師は口をモゴモゴさせながら呟き、近くにいた固まった生徒の額を触った。
すると教師の手から禍々しい光が発し、生徒の身体を砂にした。
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