act1 ありきたりな日常

10/12
前へ
/109ページ
次へ
少しすると、カツカツといった上履きとは違う音が廊下から聞こえてきた。 多分先生だろう。先生が来たぞ!と言う声に、他の人は慌てて席に着く。 全員が座り終わるのと同時に教室の扉が開いた。 「む、全員居るようだな」 凛とした声と共に入って来たのは、若い女の人だった。 スーツを着た姿は、若いながらも熟練の教師を思わせる。 そしてなにより…………スタイルが抜群に良い。 スレンダーな体型は、男子は勿論のこと、同姓のボクも見惚れてしまう程。 「私はこのクラスを一年間担当する如月 麻子(キサラギ マコ)だ。よろしく頼む」 麻子先生か……愛称はマコちゃんで決定かな? 余計はことを考えていると、先生から入学式についての説明が始まった。 最初はクラスごとに並んで入場。その後、校長や生徒会からの挨拶や祝辞があり、退場は入場と同じクラスごとに並んで退場。 と、いった流れ。 その後はLHRをして帰るだけ。今日は早く帰ることができそう…… 「では、廊下2列に並んでくれ。並び順は好きで構わない。」 先生の指示に従い、ボク達は廊下に並ぶ。 勿論隣は円。 「これから入学式かぁ……少し緊張してきたかも」 「確かに、私も緊張してきちゃった……直ぐに終わってくれないかな?」 「……それは無理でしょ」 ボクは円と他愛の無い話をしながら、入学式の行われる体育館に向かった。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加