act1 ありきたりな日常

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3階の一番端、1年10組の前。 教室からは、まだ話し声が聞こえる。 先生が来ていないことへ安堵し、ゆっくりと教室の扉を開けた。 ──────────────── ───────────── ─────────── ほとんどの人はまだ、友達との談笑に浸っていた。 まだ席は決まっていないのか、各々が好きな席に座っている。座席表のような物も見当たらない。 さて……ボク達はどこの席にしようかな? 「楸、席は自由みたいだけど、どこにする?」 廊下側がいいかなーなどと考えていると、円が話しかけてきた。 廊下側も捨て難いけど……円も一緒ならやっぱり………… 「窓側の一番後ろにしない?」 「窓側かぁ……。うん、私はそれでいいよ」 定番と言えば定番窓側だったけど……よかった、円が賛成してくれて…… 運良く、窓側の席には誰も居ない。 そのまま席に座り、先生が来るまでの間、ボク達はおしゃべりをして待つことにした。
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