第一章<卵>

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「せいちゃ~ん、ナルミちゃ~ん。見てきたぜ」 琴太が馬鹿みたいなテンションで戻ってきた。いや、みたいなではなく馬鹿だったな。 「それにしてもビックリしたよ」 「何がだ?」 「名前だよ。な・ま・え」 「誰の?」 「ナルミちゃんのだよ」 「私の名前?」 「ナルミちゃんの名前って成功の成に、木の実の実で成実(ナルミ)だよね?」 「はい。そうですけど?」 「マジか!?俺と同じじゃないか」 「えっ!そうなんですか?」 「あぁ、俺も同じ字で成実(セイジ)って読むんだ」 これには俺もビックリした。同名の奴くらいいるだろうとは思ったが、まさか同じ漢字で違う読みの奴がいようとは… 「世の中って広い様で狭いね。セイちゃん♪」 「あぁ…そうだな。 琴太 とりあえず、一発殴らせろ」 ボコッ!!
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