第一章<卵>

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なんかムカついて殴った。 反省や後悔なんて微塵もない。 むしろスカッとした。 それから俺たちは世間話をしながら自分達のクラスの前まで来た。 ドアを開けて入るとそこには見知った顔ばかりだ。 「よう、セイジと琴太。また同じクラスだな」 教室に入ってすぐに俺たちに話しかけてきたのはキーシア・ベリング。中等部の時に知り合った獣人族で日焼けしたような褐色の肌と頭にある犬耳が特徴な奴だ。 「おうよ。また一緒に馬鹿しようね♪」 ちなみにキーシアと琴太…あと俺の三人は中等部のある時期から“参馬鹿侍(サンバカサムライ)”という不名誉なあだ名で呼ばれている。 本当、不名誉極まりない。 「で、その可愛い娘は誰だ?」 「あぁ、コイツは近衛ナルミっていっ__」 「なんと名前がセイちゃんと同じ漢字なんだよ」 俺の言葉に被せるように琴太が言う。 発言の途中で遮られたことがかなりイラッとしたから、琴太の首根っこを掴んで後ろに引っ張り、それと同時に足払いをして奴の後頭部を床にぶつけてやった。 そのまま琴太は白目を剥いて気絶した。相変わらず気持ち悪い顔だ。 近衛はキャッとビックリしているがキーシアは気にしていない。まぁ、いつもの事だからな。
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