名もなき壱頁

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これは世界の物語 これは誰かの物語 これは終わりの物語 そして 始まりの物語 『そこ』には幾つもの本棚と数多くの物語が置かれている。 ある物語は辞書のように厚い本であり ある物語は紙一枚しかない短いもの また、ある物語は終始変化がなく ある物語は波乱万丈な内容のもの 『そこ』には誰もいない。 しかし、物語はその数を増やしていく。 そして気紛れに物語のページが捲られる。 捲るものの正体は『そこ』を不意に吹き抜ける風。
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