第一話

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「なんとなくな」 シグマは小さく笑いながら、戦斧を構える。 「行くぞ!」 「なっ誰・・・ぐああっ!」  先陣を切ったシグマは、その斧で手近な山賊を斬った。 「敵襲! 敵襲!」  それを見た一人が、叫びながら砦の中へ消えていく。 「サーリャとカルトは外を、他は突っ込むぞ!」 「「「了解!」」」  カルトが陣のしんがりに付き、サーリャはシーリュに乗って空へ昇る。 「いっくよー!」  サーリャは槍を構えると、一人の山賊に狙いを定め、急降下していく。 「はっ!」  サーリャはすれ違い様に山賊に向かって斧槍を振り抜く。が、山賊はそれをシーリュをくぐるように回避した。 「むぅ・・・」  急上昇していくシーリュの上で、サーリャが不満気に頬を膨らませた。 「てめぇら、よくも!」  一方では、山賊がカルトに剣を振り上げながら突撃している。  カルトは槍を構えると、振り下ろされた剣を左手の盾で去なし、がら空きの腹に槍を突き刺した。 「次は当てるよ!」  サーリャとシーリュは再び急降下する。 「そんな攻撃じゃかすりもしないぜ!」 「シーリュ」  サーリャの言葉に反応して、シーリュは大きく息を吸い込んだ。そして、 「ガアアアアア!」  山中に響き渡る程の咆哮をあげた。
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