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「なんとなくな」
シグマは小さく笑いながら、戦斧を構える。
「行くぞ!」
「なっ誰・・・ぐああっ!」
先陣を切ったシグマは、その斧で手近な山賊を斬った。
「敵襲! 敵襲!」
それを見た一人が、叫びながら砦の中へ消えていく。
「サーリャとカルトは外を、他は突っ込むぞ!」
「「「了解!」」」
カルトが陣のしんがりに付き、サーリャはシーリュに乗って空へ昇る。
「いっくよー!」
サーリャは槍を構えると、一人の山賊に狙いを定め、急降下していく。
「はっ!」
サーリャはすれ違い様に山賊に向かって斧槍を振り抜く。が、山賊はそれをシーリュをくぐるように回避した。
「むぅ・・・」
急上昇していくシーリュの上で、サーリャが不満気に頬を膨らませた。
「てめぇら、よくも!」
一方では、山賊がカルトに剣を振り上げながら突撃している。
カルトは槍を構えると、振り下ろされた剣を左手の盾で去なし、がら空きの腹に槍を突き刺した。
「次は当てるよ!」
サーリャとシーリュは再び急降下する。
「そんな攻撃じゃかすりもしないぜ!」
「シーリュ」
サーリャの言葉に反応して、シーリュは大きく息を吸い込んだ。そして、
「ガアアアアア!」
山中に響き渡る程の咆哮をあげた。
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