第一話

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 奪われていた金品や食料を荷車いっぱいに積み、シグマ達は村へ戻って来た。 「助かった、主らにはなんと礼を言えばよいか・・・・・・」  老人はシグマ達一人一人の手を握り締めてありがとうと繰り返す。 「俺達は傭兵だ。ちゃんと報酬さえ出して貰えれば礼なんていらねえよ」 「おおそうじゃった。これが報酬じゃ」  老人はシグマに金が入った皮袋を渡す。 「主は・・・生肉じゃったな」  老人は葉にくるまれた生肉達を風呂敷に包み、ユキに手渡した。 「ん、契約通りの量だな」  ユキは重さを確かめるようにそれを背負う。  拠点へ戻る途中、シグマはユキが背中に背負っているそれを見て言った。 「何で肉なんだ?」 「まあ、ちょっとな」 「・・・そういえば、忘れて無いよな?」  シグマが口の端を吊り上げて笑みを浮かべる。 「・・・ああ、その時に分かる」  こっちだ、とユキは進路を変え、シグマ達を連れて森へ入っていった。 「ここだ」  ユキは森の中にひっそりと開いた洞窟の前でそう言った。 「こんなところに一体誰が「ユキぃー!」」  シグマが不思議そうに呟くと、洞窟の中から女の子と思われる声が聞こえて来た。
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