67人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
「なあ、髪が真っ白で腰に剣を差したやつ見なかったか?」
「真っ白・・・確か森に向かったな」
カルトの質問に、村人は森の方を指差して言った。
「分かった。ありがとう」
カルトが村人と別れると、ミクラがカルトに向かって走ってきた。
「見つかった?」
「いや、森に入ったらしい」
「森・・・サーリャに任せた方が良さそうね」
「ああ、一旦拠点に戻ろう」
二人は村の出口へ歩き出した。
「へえ~霙の剣士がね~」
金色の髪の女性が感心したように頷いた。
「団長命令で招待することになったんだが今森にいるらしいんだ。準備はやるから探して連れてきてくれないか?」
「うん、いいよ。確か真っ白の髪だったよね」
サーリャは屋外に繋がれている竜に跨った。
緑の鱗に覆われた竜は、サーリャが杭に繋がる縄を解くと、翼に進化した前足を羽ばたかせ、その巨体を空へ上昇させていく。
「シーリュ、この辺りを飛んでみよ」
緑の竜は、鼻を鳴らして返事をすると、森の上空を旋回し始めた。
「うーん・・・白い髪・・・白い髪・・・・・・」
サーリャはシーリュの翼と首の間から、森を覗き込む。
最初のコメントを投稿しよう!