第一話

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「なあ、髪が真っ白で腰に剣を差したやつ見なかったか?」 「真っ白・・・確か森に向かったな」  カルトの質問に、村人は森の方を指差して言った。 「分かった。ありがとう」  カルトが村人と別れると、ミクラがカルトに向かって走ってきた。 「見つかった?」 「いや、森に入ったらしい」 「森・・・サーリャに任せた方が良さそうね」 「ああ、一旦拠点に戻ろう」  二人は村の出口へ歩き出した。 「へえ~霙の剣士がね~」  金色の髪の女性が感心したように頷いた。 「団長命令で招待することになったんだが今森にいるらしいんだ。準備はやるから探して連れてきてくれないか?」 「うん、いいよ。確か真っ白の髪だったよね」  サーリャは屋外に繋がれている竜に跨った。  緑の鱗に覆われた竜は、サーリャが杭に繋がる縄を解くと、翼に進化した前足を羽ばたかせ、その巨体を空へ上昇させていく。 「シーリュ、この辺りを飛んでみよ」  緑の竜は、鼻を鳴らして返事をすると、森の上空を旋回し始めた。 「うーん・・・白い髪・・・白い髪・・・・・・」  サーリャはシーリュの翼と首の間から、森を覗き込む。
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