第一話

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「あ、いた。シーリュ」  サーリャはシーリュの首に繋がっている手綱を使ってシーリュに指示を出す。  シーリュは指示を受けると、翼をたたみ、ユキがいる所へ急降下していく。 「? 影?」  森で食料を探していたユキは、突然落ちてきた影を見て、空を見上げた。  そこには重力任せに真っ直ぐ自分に向かって急降下してくるシーリュがいた。 「うおあっ!」  ユキは慌てて後ろに飛ぶと、剣を鞘から抜いて構える。  シーリュは着地直前に羽ばたいてスピードを緩めると、太い後ろ足をクッションにして地面に降り立った。  サーリャはユキを見て首を傾げる。 「えっと・・・人違いかな?」  うーんと唸り出したサーリャをユキは不思議そうに見る。 「うん、霙の剣士がこんなにひょろっとしてるわけないよね」 「ちょっと待て」  ユキが結論を出したサーリャを引き止める。 「なに? 私忙しいんだけど」 「俺だ」 「え?」 「俺が霙の剣士だ」 「・・・またまた~何でも斬るって評判の剣士がそんなにひょろいわけないじゃん」  サーリャが軽く笑いながら応える。 「何のようだ? シグマの差し金か?」 「団長を知ってるって事は・・・・・・」  サーリャの表情がどんどん驚愕へと変わっていく。
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