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「あ、いた。シーリュ」
サーリャはシーリュの首に繋がっている手綱を使ってシーリュに指示を出す。
シーリュは指示を受けると、翼をたたみ、ユキがいる所へ急降下していく。
「? 影?」
森で食料を探していたユキは、突然落ちてきた影を見て、空を見上げた。
そこには重力任せに真っ直ぐ自分に向かって急降下してくるシーリュがいた。
「うおあっ!」
ユキは慌てて後ろに飛ぶと、剣を鞘から抜いて構える。
シーリュは着地直前に羽ばたいてスピードを緩めると、太い後ろ足をクッションにして地面に降り立った。
サーリャはユキを見て首を傾げる。
「えっと・・・人違いかな?」
うーんと唸り出したサーリャをユキは不思議そうに見る。
「うん、霙の剣士がこんなにひょろっとしてるわけないよね」
「ちょっと待て」
ユキが結論を出したサーリャを引き止める。
「なに? 私忙しいんだけど」
「俺だ」
「え?」
「俺が霙の剣士だ」
「・・・またまた~何でも斬るって評判の剣士がそんなにひょろいわけないじゃん」
サーリャが軽く笑いながら応える。
「何のようだ? シグマの差し金か?」
「団長を知ってるって事は・・・・・・」
サーリャの表情がどんどん驚愕へと変わっていく。
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