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「嘘ぉ! こんな細いのが!?」
「流石にそこまでくると傷付くぞ」
「で? 何の用なんだ?」
落ち着きを取り戻したサーリャに、ユキが問いかける。
「あぁそうそう、あのね、団長が呼んでるのよ」
シーリュから降りながら話す。
「団長・・・シグマか」
「あなたが余裕がないって言ってたから心配してるのよ」
腰に手をあててため息を吐いた。
「それぐらい自分でなんとかできる」
ユキはポケットから木の実や野草を取り出して見せつけるように差し出す。
「あ・・・あはは・・・・・・面白い冗談だね・・・」
サーリャは苦笑いで応える。
「とにかく私達の拠点においでよ。ご飯くらいなら出せるからさ」
「・・・妙に引っかかるが、まぁ一カ月ぶりにまともな飯にありつけるなら行こう」
「一カ月・・・・・・ま、まあ、とりあえず後ろに乗ってよ」
サーリャはシーリュに跨り、手を差し伸べる。
「ん、頼む」
ユキはサーリャの手を掴んでシーリュに跨った。
「・・・・・・綺麗だな」
拠点へ向かっていると、ユキが呟くように言った。
「え!?」
サーリャが顔を赤らめて振り返る。
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