第一話

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「この竜、何て言うんだ?」  ユキは緑色の鱗を撫でながら問いかける。 「あ、うん。シーリュって言うの」 「シーリュ・・・か」 「うん、シーリュは私が子供の頃から一緒なんだ」  サーリャは懐かしそうにシーリュの頭を撫でる。 「私ね、小さいときにお父さんとお母さんが死んじゃったの。そして独りぼっちの時に出会ったのがシーリュなんだ」  それを肯定するように、シーリュが短く鳴く。 「団長に拾われるまでは色々苦労したんだ」  そろそろ見えて来たよ、とサーリャは幾つかテントが張られている場所を指差して言った。 「団長、連れて来たよ」  サーリャがシーリュから降りて迎えに来たシグマに駆け寄る。 「ああ、ご苦労だったな」 「シグマ、飯食いに来た」  ユキがシーリュから降りながら言った。 「それでもいい、歓迎しよう」 「グルル・・・」  シーリュが前に立つユキに顔を近づける。 「あ、シーリュが懐いてる・・・・・・」 「相当気に入られたな」 「おーい、飯が出来たぜ」  テントの中からカルトの声が聞こえてきた。
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