67人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
「この竜、何て言うんだ?」
ユキは緑色の鱗を撫でながら問いかける。
「あ、うん。シーリュって言うの」
「シーリュ・・・か」
「うん、シーリュは私が子供の頃から一緒なんだ」
サーリャは懐かしそうにシーリュの頭を撫でる。
「私ね、小さいときにお父さんとお母さんが死んじゃったの。そして独りぼっちの時に出会ったのがシーリュなんだ」
それを肯定するように、シーリュが短く鳴く。
「団長に拾われるまでは色々苦労したんだ」
そろそろ見えて来たよ、とサーリャは幾つかテントが張られている場所を指差して言った。
「団長、連れて来たよ」
サーリャがシーリュから降りて迎えに来たシグマに駆け寄る。
「ああ、ご苦労だったな」
「シグマ、飯食いに来た」
ユキがシーリュから降りながら言った。
「それでもいい、歓迎しよう」
「グルル・・・」
シーリュが前に立つユキに顔を近づける。
「あ、シーリュが懐いてる・・・・・・」
「相当気に入られたな」
「おーい、飯が出来たぜ」
テントの中からカルトの声が聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう!