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可愛い手。
細い指。
丸い爪。
冷たい手。
そっと右手を出して
さりげなく私の左手を握る。
あとは強引に指の間に滑り込んでくる。
繊細な君の手指。
時折ギュッと握ってくる。
私もギュッと握り返す。
『大好きだよ』のメッセージを込めて。
信号待ちで束の間の抱擁。
動き出しても離れない君が愛しい。
軽快なスピードで夜の国道を行く。
かからない信号に舌打ちを打ちながら、流れる街灯を見ながら(君しかいない。)と、そう思ったんだ。
陸橋にさしかかるまさにその時に。
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