賭け

2/2
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
あたしにとって大切なもの。大切なこと。大切なひと。 でも あなたにとってはそうじゃないもの。そうじゃないこと。そうじゃないひと。 だから、ため息ついて、 そうして少しづつ何かを諦め、あなたを諦め生きてきた。 そうして運命がすれ違い、もう二度と目を合わす事もなく生きてきた。 夜更けに深い森からぼんやり月が顔を覗き、あたしはそれをキレイだと呟くんだけど あなたはそれを何と思うのか気になって眠れずに生きてきた。 同じ想いを感じてくれているなら まわりにイマサラと言われたとしても すれ違った運命を引き寄せてみようかなと思うの。 ねぇ、もう、諦めるのは少し疲れちゃったみたい。 少しくらい大胆に引き寄せて見てもいいんじゃないかしら。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!