あたし、万引き女。

デビュー

とりあえず私達は障害者用トイレに向かった。

そこでコトミ達は収穫したものをお披露目するらしい。

バラバラバラ…

それぞれが鞄から物をだして行く。

私の鞄には
DVD、ヘアピン、ピアス、ネックレスなど
小さな物ばかりだった。

コトミの鞄には
あたしのだいすきなキャラクターのグッズや
つけまつげ、化粧品など大きなものが大量にでてきた。

｢はいっ!!ユイにこれ今日の記念にプレゼント!｣
コトミはあたしのだいすきなキャラクターのものをすべて渡してくれた。

｢え？嘘っありがとう～!!｣

｢うちもーこのピアスあげるー｣
｢あたしもこのつけまとアイライナーもってるからーっ｣
｢このアーティストのアルバムあげるよ～｣

みんなから大量に物をもらい

鞄はパンパンだ。

ほしかった物が簡単に手に入る。
物には絶対困らない。
お金が減らない。
嫌いだったこの万引きグループが好きになる。

もう、私は抜け出せない

万引きという

ひと時の魔法から。

もう、

虜。