―本当のキモチ―

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修二『うん。聞くよ』 表情一つ変えず、まっすぐに見つめてくる瞳。 吸い込まれてしまいそうで、余計に怖くなる。 知衣子『‥‥修二君、私に隠してる事‥‥ない?』 堪えられず、目を反らしてしまったが何とか言葉が出た。 修二『え?隠している事?‥えーと、何の事言ってるの?』 さっきまでとは違い、困惑した顔をしながら頭に手をあてている。 まさか写真の事なんて思いもしないのだろう。 知衣子『‥ごめんなさいっ、修二君の部屋でたまたま見ちゃったんだ。‥‥奈緒の‥‥しゃ、写真。』 涙が出そうになり、上手く話すことができない。 修二君が、今どんな顔しているのかが気になる。 気になるのに、怖くて顔をあげられない‥‥‥ 修二『‥なるほど、ね。だからアイツあんな事を』 知衣子『え?』 ボソッと独り言のような修二君の声は、よく聞こえなかった。
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