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東京、池袋…
今日もそこには非日常が溢れている。
「いーざーやぁぁあああ!!」
「見逃してよシズちゃん」
「今日こそは殺す!」
「そんな事言って、まだ殺せてないくせに」
「ぶっ殺す!!」
「あはははは!」
先程から、そんな会話と共に破壊音が絶えず響いていた。
あたりには中身を散乱させたゴミ箱や何やらがなんとか原型を留めてあちこちに転がっている。
周りはそこだけ開けていて、最早池袋の日常にすらなりかけているそれ――自動喧嘩人形、平和島静雄と情報屋、折原臨也のケンカ(と言う名のデスマッチ)がどれだけ危険なものかを物語っていた。
「テメェ待ちやがれ!」
「待てって言われて待つバカはいないよねー?あ、シズちゃんはバカだから分かんないのかぁ」
「死ね!!」
笑う青年、飛ぶ自販機、そしてまた破壊音。
「あ」
「ん?どうした帝人」
「自販機飛んでった」
「あぁ…静雄さんか」
学校帰り、杏里は用事があるとの事で今日は二人で帰っていた。
「また臨也さんと喧嘩かな?」
「…だろうな」
ふと帝人は考え込む素振りをし、何か結論付けたように頷いた。
「ねぇ、正臣」
「何だー?帝人」
「静雄さんと臨也さんが組んだら最強だと思わない?」
「…そんな事は絶対に無いだろうけどな」
「でもさー、静雄さんの力と臨也さんの頭があれば無敵だと思うんだよね」
「確かに。国1つくらいは滅ぼせそうだよな」
「さすがにそれは無いでしょー」
笑いながらそんな話をされていた事を、当の本人達は知らずにいた。
組めば最強コンビ
(そんな彼等は戦争中)
「シズちゃんのノーコンー(笑)」
「テメェマジでぶっ殺す!!」
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