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「いいか、逃げるなら遠くにだ。海を渡り、他の大陸に生きのびろ」
「それしか……ないか」
頭を抱え込む俺とソフィア。
「むっ、そろそろ限界だったか」
「一体何が……っ!!」
「何処だっ!?」
何処からともなく、そんな声が聞こえてきた。それに、それだけではない。あちらこちらから騒がしい声が響いてくる。
「あいつらも、ずっと止めとくことは出来ないとは思っていたが、早かったな」
諦めたように首を振ると、俺達に向き合い悲しみを帯びた表情になる。
「別れのときだな。ほら、行け」
「……マスター、今までありがとう」
俺とソフィアは同時に頭を下げる。その時、この路地に声が響いた。
「いたぞ!!」
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