悲しき別れのその後に

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「……ん?」 無言で作業を進めていたが、微かな違和感を感じた。 「どうしたの?」 作業を中断し俺の方を向くソフィア。俺はくびを振って口を開いた。 「いや、何でもない。そのまま続けててくれ」 そう言って俺は窓まで歩き。何気なく外の様子を伺った。 一見、異常はないように見える。だが、今度こそ確かなる違和感を感じた。 それは、殺気。微かではあるが、あちらこちらからそれを感じる。 それに、よく目を凝らして見れば、森の木立が揺れていることも確認できる。 「くそっ、囲まれてる!!」 俺は急いで荷物を掴み、ソフィアに言う。 「囲まれているぞ。急いで転移だ」 「えっ……分かった」 ソフィアも同じように荷物を持ち、立ち上がる。
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