11人が本棚に入れています
本棚に追加
(そろそろ嵌まってくれたかな?)
一方の智也は余裕があった。
(たしかに市橋は速い。
だけど俺みたいな策士にはオイシイ走り方してくれるんだよな…)
智也の走り方は他の走り屋からが見ると「何が何だかわからない」らしい。
走る度にライン取りが変わり相手にプレッシャーを与えているのだが、それは走っている者にしかわからない世界だ。
故に、智也と走った走り屋は変わるライン取りによってコースを塞がれ、平常心が保てなくなり、最終的に自滅してしまう事が多い。
市橋は素直に走る走り屋だ。
だが、素直故にあまりにも策に弱すぎるのだ。
もちろん、市橋とて警戒はしていた。
警戒はしていたが警戒の度合いが甘かったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!