序章~小笠峠~

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智也の仕掛けた策とはこうだ。 まず、ドリフトをわざと角度を大きくしてイン側が空いている様に見せる。 すると市橋は抜こうとインに入る。 だが、実際には角度がついているだけでコースはほぼ変わっていない。 もちろん普通のドリフトよりもインは空いてしまうのだが、そこは腕でカバーした。 市橋は見事に策にはまり、タイヤのグリップがなくなったのか、だんだんとペースが落ちてきた。 智也はそれを見逃さず、一気にペースを上げて市橋をバックミラーから消し去った。
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