序章~小笠峠~

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2台の車がパーキングへ入る。 一台は勁吾のS15、もう一台は二人の予想した通りRX-7だった。 2台は二人に近づいて来る。 着いて勁吾がすぐにしたことは美咲に対して謝ることだった。 「遅れてゴメンッ!!」 「ま、いつものことだから許してあげる。 それよりなんで市橋がここに??」 市橋こと市橋光輝(イチハシ コウキ)、先程のRX-7のドライバーだ。 ちなみに先程二人が予想した人物とは違った。 たしかに市橋は美咲の指摘のように普段は別の峠で走っている。 だが、当の市橋は美咲と勁吾の話など気にしている様子などなく、誰かを待っているようだった。 勁吾が口を開く。 「いや…、頂上のパーキングにいたからついつい挑んじゃって…」 「ふ~ん、それで遅れてしかも負けたんだ~」 美咲の鋭い指摘に勁吾が黙る。 たしかにパーキングに入る時には市橋が前だった。 キイィィイイイイィン…キイィィイイイイィン… 市橋が反応する。 またまたロータリーの音だった。
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