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そういう事か....
「すまん....分かった。これからは呼び捨てにさせてもらう。」
俺がそう言うと、祥子は顔を上げて少し涙目の笑顔を見せた。
「全くこの男はそう言う繊細な女心がわからんと言うか、鈍いのだ。何でこんな単細胞にレイが....」
おいおい....
「何だよ?じゃあ親父さんはその女心ってのが分かるってのか?」
親父さんは軽く鼻で笑いながら俺の肩を叩いた。
「当たり前だ。もう1つ教えてやろう....おまえ以上に女心が分からん奴など、どこにもいない。」
はいーーっ!?
「そ、そんな....」
じゃあ俺はあの体育会系男の大河より下なのか....
「心界王様、あまりからかっては....」
長沢さんが笑いながら話すと、親父さんも祥子も笑い始めた。
「‥‥それで、相談とは何だ?」
親父さんが話題を変えようとしたが....
「ええええ....どうしたら女心が分かる男になれるのかなと思いましてね....その道の専門家である心界王様に教えを乞うために参りました....はいはい。」
祥子が吹き出した。
勝ったな。
数分後、俺は親父さんと2人で管理棟の窓から外を眺めていた。
「何か....やたらと増えてねえ?」
見渡す空間のあちこちに人がいた。
寝転んでいる人....
座っている人....
歩き回っている人....
俺は天国への入国管理には全く関わっていないので、心界の事も把握出来てはいない。
「死んで直接天国へ行ける者は1割にも満たない....」
マジでっ!?
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