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俺が恨まれてる?
そういえば天国に来たばかりの頃は確かレイにはファンクラブもあったな....
死んじまった事で歳を取らなくなり、文字通り永遠のアイドルになったレイ。
それが俺の嫁さん....
ん~俺って何て幸せなんだろう!
「....官。」
まあ確かにレイは可愛いしな....
「司令官!」
はえっ!?
「何自分の世界に浸ってるんですかっ!?じゃあ幽霊騒ぎはひとまず終了!ちょっとこっち来て下さいね。」
里沙は俺の腕を引っ張って会議室の奥にある応接室に向かった。
「あ、涼!後で俺のホラー映画コレクション貸してやるから鍛えろっ!っていうか、これも十分怖いけどな....」
里沙を指差して笑うと涼はため息をつきながら横を向いた。
「何か言いました?早く入ってください。大事な話なんだから。」
怖っ....
おまえ本当に中学生かよ....
何その威圧感....
応接室に入ると里沙はソファーに座り、何かの資料を開いた。
「‥‥」
俺を見てから顎で向かい側のソファーを指した。
「‥‥」
黙って座る俺....
あ、俺緊張してるかも。
「赤ちゃん。」
は?
「赤ちゃん?」
繰り返すと里沙は頷いた。
「赤ちゃんがどした?」
里沙は俺をチラッと見てから視線をファイルに戻した。
「お医者さんに聞いたと思いますが、尋常ではないスピードで成長してます。通常の3倍....」
「そうなんだよ。だからいろいろ揃えなきゃならなくてさ....慌ただしいよ。」
里沙はファイルを閉じて俺をじーっと見た。
「な、何だよ里沙....」
「あのね司令官....通常の3倍で育っている赤ちゃんが産まれてからもそのままだったら?」
ん?意味が分からん....
里沙は俺が眉間にしわを寄せているのを見て、またまたため息をついた。
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