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じじぃは高笑いしながら帰った。
ていうか何しに来たんだ?
わざわざお守りを持って来た?
「裕太くん、天老院様は?」
顔を覗かせたレイの目の前にじじぃが持って来たお守りをブラブラさせると、レイの目がそれを追いかけて揺れた。
「ん....帰った。」
レイが妊娠した事は極秘事項として扱われた。
まあ、有り得ない話だ。
だって俺たち死んでんだぞ?
それでも俺にすればこの上ない幸せ....
「男かな女かな....」
楽しみで仕方ない。
虫や死神との戦いが終わってから毎日が平和だ。
といってもあれからまだ1ヵ月しか経ってないが....
真紀も祐子も落ち着いたし、何より仲良しになっていた。
祐子の持つ優しさというのは規格外だと思う。
レイの優しさが暖かさなら、祐子のそれは広さと言うか....
「おはようございます!司令官!」
防衛本部のドアを開けると、弘明が元気良く挨拶してきた。
「おうっ!ていうか弘明、元気だな....」
弘明は俺の言葉にニカッと笑った。
「はいっ!今日から本格的に訓練させて貰えるんでっ!」
あっそうか....
見習いレーダー監視係の弘明は、この間の事件での功績が議会で認められて正式な隊員になったんだっけ....
そうだ!
「弘明、訓練の教官だけどな、俺が紹介してやるよ。」
「ま、マジですかっ!?防衛本部の中にいる教官の人たちって凄く強くてちょっと怖かったんですよっ!」
怖いか....
ふふふ....
甘いな弘明。
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