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俺は純の提案について親父さんに相談するべく心界へ向かった。
親父さんは心界を束ねる心界王になったが、天国の神様も兼任する事になった。
まぁ....
今の時点では他に適任者がいない。
下界で総理大臣とかどこぞの大会社の創始者とかをやってた経歴を持つ人たちは、大抵のんびりした天国生活を過ごす事を選び、居住区も静かな場所を好むようだ。
実際、俺は死んでから歴史上の偉人たちにはお目にかかっていない。
まあ特に会いたいとも思わないし、天議会の八戸さんであの頑固さ....
それ以前の....例えば戦国武将との顔合わせなんて冗談じゃない!
いきなり刀で斬られそうだ....
そういった人たちも天国の運営には一切関わっていない。
だから親父さんがやるしかないんだ。
親父さんて....
生前何やってたのかな?
今度レイに聞いてみるか....
あの力は半端ねーしな。
「親父さん!いるかっ?」
心界の管理棟に入り事務所のドアを開けると、そこには親父さんと天議会の長沢さん、それと地獄から出向中の三椚祥子がいた。
「裕太....ここでは心界王と呼ばんか。」
親父さんはため息をついた。
「まあまあ....長沢さんと三椚の妹さんもお疲れさん。」
俺の挨拶に長沢さんは笑顔を見せたが、祥子は親父さん同様にため息をついた。
「はあ....神坂さん、私は呼び捨てでいいんですよ....」
「いや、いくらダチの妹とは言え、それは....」
「キャシーさんや純さん、それに里沙さんは呼び捨てじゃないですか....」
祥子はそう言うと少し寂しそうに俺を見た。
「あいつらは部下っていうか....」
「仲間だからですね?」
俺が頷くと祥子は下を向いた。
「私は....皆さんの仲間には入れてもらえないんですか?所詮は地獄の者だから....」
あ....
....
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