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明日にはバイトがあるから、夜の7時過ぎには解散した。
つーか、この時間まで遊ぶとも思って無かったけど。
陽と和葉はさっさと腕を組みながら帰って行った。
二人を見送った後、一花が圭に向かって言った。
「圭、送ってよ。」
「ん?ああ。」
「美希は、秀斗に送ってもらいな?」
「え?途中まで一緒じゃだめなの?」
「でもそっから、一人でしょ、美希。」
「別に平気だよ。そんなに遅い時間じゃないし。」
美希が言うと、一花は少し考えた後、美希になにやら耳打ちをした。
「・・・えっ?」
それを聞いた美希は、思いっきり驚いた顔で一花を見返す。
「そゆことだから。ごめんね。」
にこっと笑って、一花は圭の腕をつかむ。
「んじゃ、帰ろー。」
「ん。じゃーなー。」
「秀斗、美希よろしくねー。」
手を振って、歩き去っていく。
そして、シンとした中、俺と美希だけが取り残された。
美希はいまだに呆然として、二人が去って行った先を見ている。
…何言ったんだ、一花…。
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