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公衆電話からの無言電話。
剥がしても、また貼られる張り紙。
美希を恨んでるのか?
…どうして?
「あの、俺…送ってっても…いいですか?
えっと、すぐ戻って、倍やるんで。」
「…ああ。まあ…一人で帰すわけにもいかないしな。」
「ありがとうございます。」
そう言って頭を下げて、俺は急いで着替えに行った。
外に出て、念のためドアやその周りを確認したけど、とりあえずもう張り紙はされていなかった。
美希は、ずっと俯いたまま。
何も言わずに歩いていた。
そんな美希を見ていると、俺まで胸が痛くて。
掛ける言葉を、探しても、探しても。
上手く声には出せずに、呑みこんでばかりいた。
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