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階下から聴こえた電話の音に、美希の顔が一瞬にして強張った。
怯えたようにぎゅっと目を瞑って、耳を塞ぐ。
プルルルルッ!
プルルルルッ!
電話は鳴りつづける。
「や…だ…。」
「美希…。」
「もう…やぁ…っ。」
ぎゅっと閉じた目から涙がこぼれた。
俺は立ち上がって部屋を出ると、階段の横に置かれた小さなラックの上の子機を鷲掴みにした。
プルルル…ッ!
ガチャッ。
「・・・。」
耳に当てて数秒待ってみる。
『・・・。』
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