1239人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
「じゃあね、秀斗。有賀君も。お疲れ様。」
「あれ?帰っちゃうの?美希さん。」
「ん。またね。」
いつも通りに言って、一瞬こっちに目を向ける。
「バイバイ、秀。」
「…ああ。お疲れ。」
瞬間に、美希が今、抱えているのかもしれない痛みが…少しだけ流れ込んでくるような気がして。
少しだけ、息苦しくなった。
あの日と同じ、寂しげな引きつった微笑。
俺を好きだと言った、あの日の別れ際に見せた表情。
このまま、俺はまた…。
何も言えずに。
何もできずに。
見て見ぬふりをするのだろうか・・・?
最初のコメントを投稿しよう!